関数 $y=f(x)$ の $x=a$ における微分係数を表す式として、最も適切なものを選べ。
A.
$$\lim_{h \to 0} \frac{f(a+h) - f(a)}{h}$$
B.
$$\lim_{h \to 0} \frac{f(a+h) - f(h)}{h}$$
C.
$$\lim_{h \to 0} \frac{f(a+h) - f(h)}{a}$$
D.
$$\lim_{h \to 0} \frac{f(a+h) - f(a)}{a}$$
微分係数の定義に関する問題です。
関数 $y=f(x)$ において、$x$ の値が $a$ から $b$ まで変化するときの $x$ の変化量は $b-a$、$y$ の変化量は $f(b)-f(a)$ となります。このときの $y$ の変化量を $x$ の変化量で割ったものを平均変化率といいます。
ここで、$b-a=h$ とすると $y$ の変化量は $f(a+h)-f(a)$ となり、$x$ の変化量は $(a+h)-a=h$ となるため、平均変化率は
$$ \frac{f(a+h) - f(a)}{h} $$
となります。これは関数 $y=f(x)$ 上の 2 点 $(a, f(a))$、$(b, f(b))$ を通る直線の傾きに等しくなります。平均変化率を表す式における $h$ を限りなく 0 に近づけることで、2 点を通る直線の傾きは、$x=a$ における接線の傾きに近づいていきます。これを数式で記述すると以下のようになります。
$$ \lim_{h \to 0} \frac{f(a+h) - f(a)}{h} $$
この極限は関数 $y=f(x)$ の $x=a$ における微分係数と呼ばれ、$x=a$ における接線の傾きを表します。
以上より、選択肢Aが正解です。
関数 $y = x^3 + \log_e x + e^x + 3$ を $x$ で微分した式として、最も適切なものを選べ。(ただし、$e$ はネイピア数であるとする。)
A.
$$3x^2 + \frac{1}{x} + e^x$$
B.
$$3x^2 + \frac{1}{x} + e^{x-1}$$
C.
$$3x^2 + \log_e x + e^x$$
D.
$$x^2 + \frac{1}{x}$$
$$...$$)へ昇格させました。導関数を求める問題です。
関数 $f(x)$ と関数 $g(x)$ の和をとった関数 $h(x)=f(x)+g(x)$ があるとします。関数 $h(x)$ の導関数は $h'(x)=f'(x)+g'(x)$ となります。したがって、設問で登場した関数の導関数は、各項の導関数を求めて和をとることで得られます。
設問の式の各項の導関数を求めると、以下のようになります。
$$ (x^3)' = 3x^2 $$
$$ (\log_e x)' = \frac{1}{x} $$
$$ (e^x)' = e^x $$
$$ (3)' = 0 $$
よって、求めたい導関数の式は
$$ y' = 3x^2 + \frac{1}{x} + e^x $$
となります。
以上より、選択肢Aが正解です。
関数 $y = (x^2 + 2x + 7)^9$ を $x$ で微分した式として、最も適切なものを選べ。
A. $9(x^2 + 2x + 7)^8$
B. $9x^2$
C. $9(x^2 + 2x + 7)^8 (2x + 2)$
D. $18(x^2 + 2x + 7)$
合成関数の微分に関する問題です。
$$y = (x^2 + 2x + 7)^9$$
において、
$$t = (x^2 + 2x + 7)$$
とおきます。このとき、$y = t^9$ となります。
合成関数の微分の公式より、
$$y' = \frac{dy}{dx} = \frac{dy}{dt} \frac{dt}{dx}$$
となります。
$$\frac{dy}{dt} = \frac{d}{dt} (t^9) = 9t^8 = 9(x^2 + 2x + 7)^8$$
$$\frac{dt}{dx} = \frac{d}{dx} (x^2 + 2x + 7) = 2x + 2$$
となるので、
$$y' = 9(x^2 + 2x + 7)^8 (2x + 2)$$
となります。
以上より、選択肢 C が正解です。
【参考】
機械学習モデルの1つにニューラルネットワークがあります。ニューラルネットワークの学習には合成関数の微分が必要となります(第2章参照)。
関数 $z = 3xy + 2y^2$ を $x$ で偏微分した式として、最も適切なものを選べ。
A. 5
B. $3x+2$
C. $xy$
D. $3y$
偏微分に関する問題です。
偏微分は、微分する変数以外を定数として微分を行います。
この問題では $x$ について偏微分を行うので、変数 $y$ は定数として扱います。よって、設問の式を $x$ で偏微分した結果は以下のようになります。
$$\frac{\partial z}{\partial x} = \frac{\partial}{\partial x}(3xy + 2y^2) = 3y + 0 = 3y$$
以上より、選択肢Dが正解です。
ベクトル $\mathbf{a} = (1, 2)$、$\mathbf{b} = (0, 2)$ とする。このとき、ベクトルの和 $\mathbf{a} + \mathbf{b}$ の値として、最も適切なものを選べ。
A. $(1, 2)$
B. $(1, 4)$
C. $(3, 2)$
D. $(0, 4)$
**)で強調しました。ベクトルの和に関する問題です。
ベクトルの和は各成分をそれぞれ足し合わせることで計算できます。
$$ \mathbf{a} + \mathbf{b} = (1, 2) + (0, 2) = (1 + 0, 2 + 2) = (1, 4) $$
以上より、選択肢Bが正解です。
\mathbf)へ変更。$$\mathbf{x} = \begin{pmatrix} 1 \\ 3 \\ 4 \end{pmatrix}$$
とする。
このとき、ベクトルのスカラー倍 $3\mathbf{x}$ の値として、最も適切なものを選べ。
A.
$$\begin{pmatrix} 3 \\ 9 \\ 12 \end{pmatrix}$$
B.
$$\begin{pmatrix} 3 \\ 3 \\ 12 \end{pmatrix}$$
C. 24
D. 3
ベクトルのスカラー倍に関する問題です。
$c$ を定数とし、
$$\mathbf{x} = \begin{pmatrix} x_1 \\ x_2 \\ \vdots \\ x_n \end{pmatrix}$$
とすると、
$$c\mathbf{x} = \begin{pmatrix} cx_1 \\ cx_2 \\ \vdots \\ cx_n \end{pmatrix}$$
となります。
よって、
$$3\mathbf{x} = 3 \begin{pmatrix} 1 \\ 3 \\ 4 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 3 \times 1 \\ 3 \times 3 \\ 3 \times 4 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 3 \\ 9 \\ 12 \end{pmatrix}$$
となります。
以上より、選択肢Aが正解です。
\mathbf{x})を維持しました。$\boldsymbol{x} = \begin{pmatrix} 4 \\ 2 \\ 4 \end{pmatrix}$ とする。
このとき、$\boldsymbol{x}$ のユークリッドノルムの値として、最も適切なものを選べ。
A. $\begin{pmatrix} 16 \\ 4 \\ 16 \end{pmatrix}$
B. 36
C. 8
D. 6
ベクトルのノルムに関する問題です。
$$\mathbf{x} = \begin{pmatrix} x_1 \\ x_2 \\ \vdots \\ x_n \end{pmatrix}$$
のとき、$\mathbf{x}$ のユークリッドノルム $\|\mathbf{x}\|$ は以下のように定義されます。
$$\|\mathbf{x}\| = \sqrt{x_1^2 + x_2^2 + \cdots + x_n^2}$$
よって、$\mathbf{x} = (4, 2, 4)^T$ のとき
$$\|\mathbf{x}\| = \sqrt{4^2 + 2^2 + 4^2} = \sqrt{16 + 4 + 16} = \sqrt{36} = 6$$
以上より、選択肢Dが正解です。
参考
ユークリッドノルムはベクトルの大きさに対応するので、$\|\mathbf{x}\| \ge 0$ となります。また、ユークリッドノルムは $L^2$ ノルムとも呼ばれます。
$ \mathbf{x} $ など)を確保し、可読性を向上させました。$$\|\mathbf{x}\| = \sqrt{x_1^2 + x_2^2}$$
のとき、$\|\mathbf{x}\| = 4$ を満たす $(x_1, x_2)$ の集合が描く図形として、最も適切なものを選べ。
A. $y = 2x$ の直線
B. $y = 4x$ の直線
C. 半径 2 の円
D. 半径 4 の円
$$...$$)へ昇格円の方程式に関する問題です。
$$\|\mathbf{x}\| = \sqrt{x_1^2 + x_2^2} = 4$$
より、
$$x_1^2 + x_2^2 = 4^2$$
となります。これは「半径が 4 の円」を表す式です。
以上より、選択肢Dが正解です。
なお、$\|\cdot\|$ はノルムを表す記号です。
参考
$\|\mathbf{x}\| = r$ を満たす点が半径 $r$ の円を描くことは、機械学習におけるテクニックの1つである正則化を理解する際に重要となります。
**)で強調しました。\mathbf{x})が適切に使用されていることを確認し、維持しました。$$\mathbf{x} = \begin{pmatrix} 1 \\ 2 \\ 3 \end{pmatrix}, \quad \mathbf{y} = \begin{pmatrix} 4 \\ 5 \\ 6 \end{pmatrix}$$
とする。
このとき、ベクトルの内積 $\mathbf{x} \cdot \mathbf{y}$ の値として最も適切なものを選べ。
A. $\begin{pmatrix} 4 \\ 10 \\ 18 \end{pmatrix}$
B. $\begin{pmatrix} 5 \\ 7 \\ 9 \end{pmatrix}$
C. 32
D. 21
\mathbf)に統一しました。ベクトルの内積は、ベクトルの成分同士の積の和をとることで計算できます。
$$ \mathbf{x} = \begin{pmatrix} x_{1} \\ x_{2} \\ \vdots \\ x_{n} \end{pmatrix}, \quad \mathbf{y} = \begin{pmatrix} y_{1} \\ y_{2} \\ \vdots \\ y_{n} \end{pmatrix} $$
としたとき、$\mathbf{x}$ と $\mathbf{y}$ の内積 $\mathbf{x} \cdot \mathbf{y}$ を以下のように定義します。
$$ \mathbf{x} \cdot \mathbf{y} = x_{1}y_{1} + x_{2}y_{2} + \cdots + x_{n}y_{n} $$
よって、$\mathbf{x} = \begin{pmatrix} 1 \\ 2 \\ 3 \end{pmatrix}, \quad \mathbf{y} = \begin{pmatrix} 4 \\ 5 \\ 6 \end{pmatrix}$ のとき、
$$ \mathbf{x} \cdot \mathbf{y} = (1 \times 4) + (2 \times 5) + (3 \times 6) = 32 $$
となります。
以上より、選択肢Cが正解です。
参考 機械学習モデルの1つである線形回帰(第2章参照)は、内積を使うことで簡潔な数式で記述することができます。
\quad)に置き換え、視認性を向上させました。\mathbf)および行列環境(pmatrix)を維持し、整形しました。行列
$$\mathbf{A} = \begin{pmatrix} 1 & 2 & 1 \\ 3 & 4 & 3 \end{pmatrix}, \quad \mathbf{B} = \begin{pmatrix} 5 & 2 \\ 0 & 1 \\ 1 & 0 \end{pmatrix}$$
とする。
このとき、行列の積 $\mathbf{AB}$ の計算結果として最も適切なものを選べ。
A. $\begin{pmatrix} 5 & 0 & 1 \\ 6 & 4 & 0 \end{pmatrix}$
B. $\begin{pmatrix} 5 & 6 \\ 7 & 8 \end{pmatrix}$
C. $\begin{pmatrix} 6 & 4 \\ 18 & 10 \end{pmatrix}$
D. $\begin{pmatrix} 5 & 4 \\ 45 & 24 \end{pmatrix}$
$$...$$)へ昇格させました。$$ A = \begin{pmatrix} 1 & 2 & 1 \\ 3 & 4 & 3 \end{pmatrix}, \quad B = \begin{pmatrix} 5 & 2 \\ 0 & 1 \\ 1 & 0 \end{pmatrix} $$
としたときの行列の積 $AB$ は、以下のようにして求められます。
$$ AB = \begin{pmatrix} 1 \times 5 + 2 \times 0 + 1 \times 1 & 1 \times 2 + 2 \times 1 + 1 \times 0 \\ 3 \times 5 + 4 \times 0 + 3 \times 1 & 3 \times 2 + 4 \times 1 + 3 \times 0 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 6 & 4 \\ 18 & 10 \end{pmatrix} $$
<図20_025_2--->
図20_025_2
<--->
掛け合わせる行列の行と列をそれぞれベクトルとみなし、行と列ごとに内積を計算します。
以上より、選択肢Cが正解です。
試験対策
行列 $A$ と行列 $B$ の積 $AB$ を計算する場合には、行列 $A$ の列の数と行列 $B$ の行の数が一致しなければなりません。例えば、3行2列の行列と2行2列の行列であれば行列の積を計算することが可能ですが、2行2列の行列と3行2列の行列の積を計算することはできません。参考
行列 $A, B, C$ に対し、$AB = C$ が成り立つとします。このとき、$A$ が $l$ 行 $m$ 列の行列、$B$ が $m$ 行 $n$ 列であれば、行列 $C$ は $l$ 行 $n$ 列 となります。
\quad)を挿入。<20_025_2> を指定の図マーカー形式に整形。[図:...] 形式ではありませんでしたが、IDと思われる情報を保持したままルールに準じたマーカー形式に変換しました。$A = \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix}$ とする。
このとき、行列式 $|A|$ の値として、最も適切なものを選べ。
A. $ab+bc$
B. $ab-bc$
C. $ad+bc$
D. $ad-bc$
2行2列の行列 $A = \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix}$ の行列式 $|A|$ は以下のように定義されています。
$$|A| = ad - bc$$
以上より、選択肢Dが正解です。
参考
行列式を $\mathrm{det}(A)$ と表現する場合もあります。行列式の $\mathrm{det}(A)$ の「det」は「determinant(決定力のある)」という単語に由来しています。行列式は次問で登場する「逆行列」の理解において重要です。試験対策
逆行列を求めることにより、行列表記された連立方程式を解くことが可能です。
$$A = \begin{pmatrix} 4 & 3 \\ 1 & 1 \end{pmatrix}$$
とする。
このとき、逆行列 $A^{-1}$ の計算結果として、最も適切なものを選べ。
A. $\begin{pmatrix} 5 & 0 \\ 6 & 4 \end{pmatrix}$
B. $\begin{pmatrix} 1 & -3 \\ -1 & -4 \end{pmatrix}$
C. $\begin{pmatrix} -1 & 3 \\ 1 & -4 \end{pmatrix}$
D. $\begin{pmatrix} 1 & -3 \\ -1 & 4 \end{pmatrix}$
$$display$$ 形式へ昇格させました。以下のような、対角成分がすべて1でそれ以外の成分がすべて0である行列$E$を単位行列と呼びます。
$$ E = \begin{pmatrix} 1 & 0 & 0 & \cdots & 0 \\ 0 & 1 & 0 & \cdots & 0 \\ 0 & 0 & 1 & \cdots & 0 \\ \vdots & \vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\ 0 & 0 & 0 & \cdots & 1 \end{pmatrix} $$
単位行列は、実数の「1」に近い性質をもちます。
例えば、実数$x$に1を掛けると、
$$x \times 1 = 1 \times x = x$$
となります。
単位行列も同様の性質をもっており、行列$A$に単位行列$E$を掛けると、
$$EA = AE = A$$
となります。
行列$A$に対する逆行列 $A^{-1}$ とは、以下の式を満たす行列です。
$$A^{-1}A = AA^{-1} = E$$
2行2列の行列$A$に対する成分を以下のように定義します。
$$ A = \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix} $$
このとき、逆行列 $A^{-1}$ は行列式 $|A|$ を用いて以下のようになります。
$$ A^{-1} = \frac{1}{|A|} \begin{pmatrix} d & -b \\ -c & a \end{pmatrix} $$
よって、$A = \begin{pmatrix} 4 & 3 \\ 1 & 1 \end{pmatrix}$ のとき、行列式は $|A| = 4 \times 1 - 3 \times 1 = 1$ となるため、
$$ A^{-1} = \frac{1}{1} \begin{pmatrix} 1 & -3 \\ -1 & 4 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 1 & -3 \\ -1 & 4 \end{pmatrix} $$
となります。
以上より、選択肢Dが正解です。
$$\mathbf{A} = \begin{pmatrix} 1 & 2 & 3 \\ 4 & 5 & 6 \end{pmatrix}$$
とする。
このとき、転置行列 $\mathbf{A}^\top$ の値として、最も適切なものを選べ。
A. $$\begin{pmatrix} 4 & 5 & 6 \\ 1 & 2 & 3 \end{pmatrix}$$
B. $$\begin{pmatrix} 1 & 4 \\ 2 & 5 \\ 3 & 6 \end{pmatrix}$$
C. $$\begin{pmatrix} 4 & 1 \\ 5 & 2 \\ 6 & 3 \end{pmatrix}$$
D. $$\begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 3 & 4 \\ 5 & 6 \end{pmatrix}$$
$$...$$)へ昇格させました。$m$行$n$列の行列$A$の$(i, j)$要素を$(j, i)$要素としてもつ$n$行$m$列の行列を、$A$の転置行列といいます。
例えば、
$$A = \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \\ e & f \end{pmatrix}$$
の場合、その転置行列は
$$A^T = \begin{pmatrix} a & c & e \\ b & d & f \end{pmatrix}$$
となります。
なお、行列$A$と$B$の積である$AB$の転置行列$(AB)^T$は $B^T A^T$ となります。
式で表すと以下のとおりです。
$$(AB)^T = B^T A^T$$
以上より、選択肢Bが正解です。
参考
転置行列はニューラルネットワークを数式で記述する際に多用されます。
$$A = \begin{pmatrix} 1 & 1 \\ 0 & 2 \end{pmatrix}$$
とする。
このとき、行列 $A$ の固有値の組み合わせとして最も適切なものを選べ。
A. 1と2
B. 0と4
C. -1と-2
D. -1と2
正方行列 $A$ に対して、
$$
A\mathbf{x} = \lambda\mathbf{x} \tag{1}
$$
$$
(\mathbf{x} \neq \mathbf{0})
$$
を満たすスカラー $\lambda$ とベクトル $\mathbf{x}$ をそれぞれ固有値、固有ベクトルといいます。
$\mathbf{x}$ の成分は実数の値を取ります。
(1)式を変形すると、
$$
(A - \lambda E)\mathbf{x} = \mathbf{0} \tag{2}
$$
が得られます。
(2)式が自明な解 $\mathbf{x} = \mathbf{0}$ 以外の解をもつための条件は、(2)式の左辺である行列 $A - \lambda E$ に逆行列が存在しないことです。これは
$$ |A - \lambda E| = 0 $$
と同値です。この方程式を解くことで、固有値 $\lambda$ と固有ベクトル $\mathbf{x}$ を求めることができます。
$A = \begin{pmatrix} 1 & 1 \\ 0 & 2 \end{pmatrix}$ とすると、
$$ |A - \lambda E| = \left| \begin{pmatrix} 1 - \lambda & 1 \\ 0 & 2 - \lambda \end{pmatrix} \right| = (1 - \lambda)(2 - \lambda) - 1 \cdot 0 = (1 - \lambda)(2 - \lambda) $$
より、$\lambda = 1, 2$ となります($\lambda_{1} = 2, \lambda_{2} = 1$ とします)。
$\lambda_{1} = 2$ に対する固有ベクトルを求めてみます。
$(A - \lambda_{1} E) \mathbf{x} = \mathbf{0}, \mathbf{x} = \begin{pmatrix} x_{1} \\ x_{2} \end{pmatrix}$ とすると、$\begin{pmatrix} -1 & 1 \\ 0 & 0 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x_{1} \\ x_{2} \end{pmatrix} = \mathbf{0}$ より、
$-x_{1} + x_{2} = 0$ が得られます。したがって、
$$ \mathbf{x} = \begin{pmatrix} x_{1} \\ x_{2} \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} x_{1} \\ x_{1} \end{pmatrix} = x_{1} \begin{pmatrix} 1 \\ 1 \end{pmatrix} = c \begin{pmatrix} 1 \\ 1 \end{pmatrix} $$
となり、固有ベクトルとして $\begin{pmatrix} 1 \\ 1 \end{pmatrix}$ が得られます。ここで、$c$ は 0 以外の任意の実数です。
$\lambda_{2} = 1$ に対する固有ベクトルも同様の計算により求めることができます。
$(A - \lambda_{2} E) \mathbf{x} = \mathbf{0}, \mathbf{x} = \begin{pmatrix} x_{1} \\ x_{2} \end{pmatrix}$ とすると、$\begin{pmatrix} 0 & 1 \\ 0 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x_{1} \\ x_{2} \end{pmatrix} = \mathbf{0}$ より、
$x_{2} = 0$ が得られます。したがって、
$$ \mathbf{x} = \begin{pmatrix} x_{1} \\ x_{2} \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} x_{1} \\ 0 \end{pmatrix} = x_{1} \begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix} = c \begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix} $$
となり、固有ベクトルとして $\begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix}$ が得られます。ここで、$c$ は 0 以外の任意の実数です。
以上より、選択肢Aが正解です。
\tag{...} 形式に修正。$$ 形式に昇格・整理。A、B、C、D、Eの5人の中から3人を選ぶとき、組み合わせの総数として、最も適切なものを選べ。
A. 5 通り
B. 10 通り
C. 15 通り
D. 60 通り
異なる $n$ 個の中から $k$ 個を、順番をつけずに選ぶ場合の組み合わせの総数は、以下の式で定義されます。
$$_{n}C_{k} = \frac{n!}{k!(n - k)!}$$
上記の「!」という記号は「階乗」を意味します。
「$n$ の階乗」とは、1 から $n$ までの整数の積のことで、以下の式で定義されます。
$$n! = n(n - 1)(n - 2) \cdots 1$$
よって、
$$_{5}C_{3} = \frac{5!}{3!(5 - 3)!} = \frac{5 \cdot 4 \cdot 3 \cdot 2 \cdot 1}{3 \cdot 2 \cdot 1 \cdot 2 \cdot 1} = 10 \text{(通り)}$$
となります。
以上より、選択肢Bが正解です。
参考
異なる $n$ 個の中から $k$ 個を取り出して並べる順列の総数は、以下の式で表現できます。
$$_{n}P_{k} = n \cdot (n - 1) \cdots (n - k + 1)$$
標本を抽出する際に用いる方法のうち、「母集団をあらかじめいくつかの層(グループ)に分けておき、各層の中から必要な数の調査対象を無作為に抽出する方法」として、最も適切なものを選べ。
A. 系統抽出法
B. 多段抽出法
C. 集落抽出法
D. 層別抽出法
標本抽出における無作為抽出法には数種類あります。以下にその代表的なものを示します。
● 系統抽出法
通し番号をつけた名簿を作成し、1 番目の調査対象を無作為に選び、2 番目以降の調査対象を一定の間隔で抽出する方法です(A)。
【例】5,000人から500人の調査対象を選ぶときに、はじめに5,000人に通し番号をつけ、ランダムに選ばれた人から10人おきに調査対象を抽出していく。
● 多段抽出法
母集団をいくつかのグループに分け、そこから無作為抽出でいくつかのグループを選ぶ、という操作を繰り返して、最終的に選ばれたグループの中から調査対象を無作為に抽出する方法です(B)。
【例】全国から30市区町村を無作為に抽出した後、抽出された市区町村のそれぞれからいくつかの地区を無作為に抽出し、抽出されたそれぞれの地区からさらに何人かを無作為に選ぶ。
● 集落抽出法(クラスタ抽出法)
母集団を、小集団である「クラスタ(集落)」に分け、分けられたクラスタの中からいくつかのクラスタを無作為に抽出し、それぞれのクラスタ内のすべての個体を調査する方法です(C)。
【例】中学校を1つの集落(クラスタ)と考え、全国の中学校(母集団)の中からランダムに何校かを選び、その中学校に通う中学生全員の体重を測定する。
● 層別抽出法
母集団をあらかじめいくつかの層(グループ)に分けておき、各層の中から必要な数の調査対象を無作為に抽出する方法です(D)。
【例】男女比が $6:4$ の大学で、10人の学生を対象に意識調査を行う場合、男子の中から6人、女子の中から4人を無作為に抽出する。
**)に設定しました。## 16. D および末尾のID(コメント)を維持しました。袋に赤玉が4つ、白玉が4つ入っている。赤玉のうち3つには目印がついており、白玉には1つだけ目印がついているものとする。この袋から玉を1つ取り出したところ赤玉だった。このとき、その取り出した赤玉に目印が付いている確率として、最も適切なものを選べ。
A. $\frac{1}{5}$
B. $\frac{3}{4}$
C. $\frac{3}{8}$
D. $\frac{1}{4}$
**)で強調しました。条件付き確率に関する問題です。「$B$という条件下において$A$が起こる確率」を$P(A|B)$と表現します。$P(A|B)$は以下のような数式で求めることができます。
$$ P(A|B) = \frac{P(A \cap B)}{P(B)} $$
設問では、袋から赤玉を1つ取り出したという条件下において、その赤玉に目印がついている確率を求める必要があります。よって、条件となる事象$B$は「袋から玉を1つ取り出して、その玉が赤色である」となり、事象$A$は「袋から玉を1つ取り出して、その玉には目印がついている」となります。
以上より、$A \cap B$は「袋から玉を1つ取り出して、その玉が赤色であり、かつ印が付いている」という事象になります。
したがって、$P(A|B)$を求めると、
$$ P(A|B) = \frac{P(A \cap B)}{P(B)} = \frac{\frac{3}{8}}{\frac{4}{8}} = \frac{3}{4} $$
となります。
また、条件付き確率の公式を積の形に変形したものは乗法の定理とも呼ばれ、以下の式で表現されます。
$$ P(B)P(A|B) = P(A \cap B) $$
以上より、選択肢Bが正解です。
参考
乗法の定理を応用したものとして、ベイズの定理が存在します。以下にその定義式を示します。$$ > P(A|B) = \frac{P(B|A)P(A)}{P(B)} > $$
($A$、$B$は事象、$P(B) \neq 0$)ベイズの定理についても、その式の意味や導出方法を把握しておくようにしましょう(詳細は9章を参照)。
**)に設定しました。4つのデータ $-4, -3, 2, 9$ の分散の値として、最も適切なものを選べ。
A. $-12$
B. $2.5$
C. $269$
D. $26.5$
$...$)に統一し、視認性を向上させました。$n$個のデータ、$x_1, x_2, \cdots, x_n$があるとします。このうち、$i$番目のデータを$x_i$とします($1 \le i \le n$)。データの平均を $\bar{x}$ とすると、分散 $\sigma^2$ は以下の式で定義されます。
$$\sigma^2 = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} (x_i - \bar{x})^2$$
したがって、設問のデータに対して分散の値を計算すると以下のようになります。
$$\begin{aligned} \sigma^2 &= \frac{1}{4} \{ (-4 - 1)^2 + (-3 - 1)^2 + (2 - 1)^2 + (9 - 1)^2 \} \\ &= \frac{1}{4} \{ (-5)^2 + (-4)^2 + 1^2 + 8^2 \} \\ &= \frac{1}{4} (25 + 16 + 1 + 64) = 26.5 \end{aligned}$$
以上より、選択肢Dが正解です。
1回の観察で、ある事象が起こる確率を $p$ とする。この $p$ は反復される試行において一定であるとする。このとき、$n$ 回の観察のうち、$x$ 回その事象が起こる確率を $P(x)$ とする。$n$ 回の観察のうち、事象 $A$ が発生する回数を確率変数 $X$ で表したとき、$X=x$ となる確率 $P(X=x)$ を表現する式として、最も適切なものを選べ。
A. $${}_{n}\mathrm{C}_{x} p^{x} (1 - p)^{n - x}$$
B. $${}_{n}\mathrm{P}_{x} p^{x} (1 - p)^{n - x}$$
C. $$\frac{e^{-\lambda} \lambda^{x}}{x!}$$
D. $$\frac{e^{-\lambda} \lambda^{x}}{n!}$$
コイントスのように、「表が出る」もしくは「裏が出る」といった2つの結果しか生じないような試行をベルヌーイ試行といいます。ベルヌーイ試行では、2つの結果のうち一方がとる確率変数 $X$ の値を「1」、もう一方の結果がとる値を「0」とします。$X=1$ となる確率を $p$ ($0 \le p \le 1$) とすると、$X=0$ となる確率は $1-p$ となります。このベルヌーイ試行を独立して行ったとき、1が出た総数が従う確率分布を二項分布といいます。確率変数 $X$ が $n$ 回のベルヌーイ試行のうち1が出た総数を表すとき、二項分布は以下の式で表現されます。
$$P(X = x) = {}_n C_x p^x (1 - p)^{n - x} \quad (x = 0, 1, 2, \cdots, n)$$
以上より、選択肢Aが正解です。
平均を $\mu$、分散を $\sigma^{2}$ としたとき、正規分布に従う確率変数 $X$ の確率密度関数 $f(x)$ とその定義域の組み合わせとして、最も適切なものを選べ。
A. $\displaystyle \frac{1}{\sqrt{2 \pi \sigma^{2}}} \exp \left( -\frac{(x - \mu)^{2}}{2 \sigma^{2}} \right) \quad (-\infty < x < \infty)$
B. $\displaystyle \frac{1}{\sqrt{2 \pi \sigma^{2}}} \exp \left( -\frac{(x - \mu)^{2}}{2 \sigma^{2}} \right) \quad (-1 < x < 1)$
C. $\displaystyle \frac{1}{\sqrt{2 \pi \sigma^{2}}} \exp \left( -\frac{(x - \sigma)^{2}}{2 \mu^{2}} \right) \quad (-\infty < x < \infty)$
D. $\displaystyle \frac{1}{\sqrt{2 \pi \sigma^{2}}} \exp \left( -\frac{(x - \sigma)^{2}}{2 \mu^{2}} \right) \quad (-1 < x < 1)$
\displaystyle を適用し、視認性を向上させました。平均を $\mu$、分散を $\sigma^2$ としたとき、正規分布に従う確率変数 $X$ の確率密度関数 $f(x)$ は以下のように示されます。
$$f(x) = \frac{1}{\sqrt{2\pi\sigma^2}} \exp \left( -\frac{(x - \mu)^2}{2\sigma^2} \right) \quad (-\infty < x < \infty)$$
正規分布は、連続変数に関する確率分布の1つです。最も一般的な(連続型)確率分布で、統計学における検定や推定、モデルの作成などさまざまな場面で活用されています。また、多くの統計的手法において、データが正規分布に従うと仮定されます。
正規分布の主な特徴として、「確率密度関数のグラフを描くと $x = \mu$ で最大値を取る左右対称な形となる」、「平均値周りの値が頻繁に生じるようなデータの分布を上手く表現できる」などが挙げられます。
正規分布に従う確率変数 $X$ は、平均 $0$、標準偏差 $1$ の正規分布に従う確率変数 $Z$ に変換することが可能です。その変換を標準化と呼びます。標準化では確率変数 $X$ に対して以下のような変換を施します。
$$ Z = \frac{X - \mu}{\sigma} $$
変換によって得られた確率変数 $Z$ が平均 $0$、標準偏差 $1$ の正規分布に従います。なお、平均 $0$、標準偏差 $1$ の正規分布は標準正規分布と呼ばれ、その確率密度関数は以下の式で表されます。
$$ f(z) = \frac{1}{\sqrt{2\pi}} e^{-\frac{z^{2}}{2}} $$
以上より、選択肢Aが正解です。
試験対策
確率密度関数は、連続変数(長さや重さといった連続する値)の確率分布を表現する関数です。確率密度関数を定積分することで、ある事象が発生する確率を求めることができます。
例えば、$x$ 軸が身長を、$y$ 軸がその確率密度を表す確率密度関数があるとします。この確率密度関数を身長 $160 \,\mathrm{cm} \sim 170 \,\mathrm{cm}$ の区間について定積分すると、母集団から無作為に選び取ったある人物の身長が $160 \,\mathrm{cm} \sim 170 \,\mathrm{cm}$ の間の値である確率を算出することができます。
正規分布の確率密度関数のグラフは、ベルを伏せたような釣鐘型となるので、ベルカーブと呼ばれることが多いです。また、その他の代表的な確率分布として、連続一様分布、指数分布、$t$ 分布、$F$ 分布、カイ二乗分布などが存在します。参考
二項分布において、試行回数 $n$ が十分に大きいと、その二項分布は正規分布に近づいていきます。
<<
\mathrm{})かつ数値との間にスペースを入れた形式($160 \,\mathrm{cm}$)に修正しました。$$...$$)へ昇格させました。二変数または三変数のデータの分布を把握するために利用する可視化表現として、最も適切なものを選べ。
A. 折れ線グラフ
B. 円グラフ
C. 散布図
D. 棒グラフ
データにはさまざまな可視化表現があり、目的に応じて使い分ける必要があります。
・折れ線グラフ……量の変化を把握することができる(A)
・円グラフ…………データに含まれる各要素の構成割合を把握することができる(B)
・散布図……………二変数もしくは三変数のデータの分布を把握することができる(C)
・棒グラフ…………量の大小を把握することができる(D)
参考
単に現場の作業を支援する場合から、ビッグデータ中の要素間の関連性をダイナミックに表示する場合まで、現代における可視化表現の目的は多岐にわたります。そのため、グラフには作成者の意思や思い込みが反映されてしまう可能性があります。グラフを見る際には、グラフを作る元となった統計データや情報の出典を確認する習慣を身につけておきましょう。試験対策
変数間の相関を見る際は、散布図を作成するだけでなく、実際に相関の度合いを定量的に計算することも重要です。変数間の相関を計算する際には、量的変数同士を比較する場合は相関係数を算出し、量的変数と質的変数の場合は相関比、質的変数同士の場合は連関係数を算出するということを覚えておきましょう。また、ある変数が他の変数に与える影響(因果効果)を推定したい場合、その双方に影響を与える共変量(交絡因子)の考慮が重要です。
試験対策
上記で触れた相関係数の正式名称は「ピアソンの積率相関係数」であり、以下の式で導出できます。
$$r_{xy} = \frac{\sum_{i=1}^{n} (x_i - \bar{x})(y_i - \bar{y})}{\sqrt{\sum_{i=1}^{n} (x_i - \bar{x})^2} \sqrt{\sum_{i=1}^{n} (y_i - \bar{y})^2}} = \frac{s_{xy}}{s_x s_y}$$
$\bar{x}$ : $x$ における算術平均
$\bar{y}$ : $y$ におにおける算術平均
$s_x$ : $x$ における標準偏差
$s_y$ : $y$ における標準偏差
$s_{xy}$ : $x$ と $y$ の共分散
※ただし、データの組 $(x_1, y_1), (x_2, y_2), \dots, (x_n, y_n)$ において、
$\mathbf{x} = (x_1, x_2, \dots, x_n), \mathbf{y} = (y_1, y_2, \dots, y_n)$ とする。
\mathbf を適切に使用していることを確認し、維持しました。<TRANSCRIPT:30_040_1> という記述がありましたが、これは指定された [図:PAGE_ID-n:内容] の形式ではないため、システム固有の参照IDと判断し、改変せずそのまま維持しています。$\bar{y}$ : $y$ におにおける算術平均 は原文(重複:におにお)を尊重しつつ、文脈上の整合性を維持しています。あるデータに対して、以下のような箱ひげ図を作成した。このとき、以下の箱ひげ図における第一四分位数、中央値、第三四分位数のおおよその値の組み合わせとして、最も適切なものを選べ。
A. 第一四分位数:15 中央値:75 第三四分位数:160
B. 第一四分位数:35 中央値:75 第三四分位数:160
C. 第一四分位数:25 中央値:40 第三四分位数:75
D. 第一四分位数:25 中央値:40 第三四分位数:160
<図...--->)に置換。データにはさまざまな可視化表現があり、目的に応じて使い分ける必要があります。箱ひげ図も可視化表現の1つであり、最大値、最小値、四分位数、四分位範囲などの値が一目でわかる点に特徴があります。
【箱ひげ図の一例】
図に示したように、グラフ左端の縦線は最小値の位置を表し、右端は最大値の位置を表しています。また、箱の部分からは次のような情報を読み取ることができます。
四分位数とは、データを昇順に並べ替え、データの個数が同じになるように4等分したときの区切りとなるデータの値のことを指します。区切りの値の小さいほうから順に、第一四分位数、第二四分位数、第三四分位数と呼びます。特に、第二四分位数のことを中央値と呼びます。また、$Q_3 - Q_1$ を四分位範囲(IQR:interquartile range)といいます。
以上より、選択肢Cが正解です。
試験対策
箱ひげ図における上下限を、そのデータにおける最大値と最小値とせずに、$Q_3 + 1.5 \times \text{IQR}$、 $Q_1 - 1.5 \times \text{IQR}$ 内の最大値・最小値を上下限とする場合があります。この範囲外となったデータは外れ値(第2章参照)と見なされます。箱ひげ図の上に外れ値をプロットすることで、四分位範囲を大きく外れたデータを視覚的に捉えることができます。
<図PAGE_ID-n--->)に置換しました。## 22. C および引用ブロック、箇条書きの構造を維持しました。ある通信販売会社では、$1$カ月に$1$万件のダイレクトメールを送付している。過去の実績から、このダイレクトメールに対する顧客の反応率はおよそ$15\%$であることがわかっている。顧客の反応率を高めるために、ダイレクトメールの内容を変えたものを試験的に送付し、その方法が従来の方法と比較して優れているかどうか、統計的仮説検定を用いて判断する。このとき、設定すべき帰無仮説(ア)と対立仮説(イ)の組み合わせとして、最も適切なものを選べ。
A. (ア)新たな方法の効果は従来のものと異なる
(イ)従来の方法の効果は新たな方法よりも高い
B. (ア)新たな方法の効果は従来のものと異なる
(イ)従来の方法の効果は新たな方法よりも低い
C. (ア)新たな方法の効果は従来のものと同じである
(イ)新たな方法の効果は従来のものと異なる
D. (ア)新たな方法の効果は従来のものと同じである
(イ)新たな方法に効果はない
$...$)に統一しました。統計的仮説検定は、主に以下の手順に沿って行います。
手順1の仮説の設定では、帰無仮説と対立仮説の2つの仮説を立てます。対立仮説には導き出したい結論を設定し、帰無仮説には対立仮説の反対の結論を設定します。
手順2の検定統計量の設定では、「ある事象」が発生する確率を求めるために、さまざまなデータを確率密度分布に変換することで、検定を行うための準備をします。
手順3の有意水準の決定では、仮説を採択するか棄却するかのしきい値をどこに置くかを決定します。
手順4の仮説の検証では、統計検定量を有意水準と比較し、仮説の検証を行います。
また、統計的仮説検定では帰無仮説が棄却され、対立仮説が採用されることを期待します。
設問の状況において導き出したい結論は、「新たなダイレクトメールに効果がある」ことであるので、こちらを対立仮説に設定します。帰無仮説には対立仮説の反対である「新たなダイレクトメールに効果がない」を設定します。
以上より、選択肢Cが正解です。
参考
統計的仮説検定を行う際には、ある分布に対する棄却域を分布の片側だけに設けた片側検定と、分布の両端に設ける両側検定とが存在します。基本的には両側検定を行う場合が多く、また、両側検定を行ってから有意差が出なかったため片側も行うなどは避けなければなりません。これらは、仮説検定の目的に応じて臨機応変に変える必要があります。
比較したい対象や目的によって、統計的仮説検定にはさまざまな種類があります。2つの母集団間での母平均の差を検定する際には、$t$検定を行います。標本の平均と母集団の平均の差を検定する際には、$z$検定を行います。
その検定の目的をしっかりと把握して、適切な使い分けができるようになりましょう。
<!-- 32_031_2 --> を変更せずに維持しました。「新たなダイレクトメールに効果 と がある」ことであるので の間にコメントタグが挟まっており、文章が物理的に分断されていますが、文脈は通じるためそのまま維持しています。統計的仮説検定における$2$種類の誤りのうち、「第一種の過誤」についての説明として、最も適切なものを選べ。
A. 帰無仮説が正しいのに、帰無仮説を棄却してしまうこと
B. 帰無仮説を棄却してしまうこと
C. 対立仮説が正しいのに、帰無仮説を採択してしまうこと
D. 帰無仮説を採択してしまうこと
帰無仮説が真であるのに、偽であるとして棄却してしまうことを第一種の過誤といいます。また、帰無仮説が偽であるのに、真であるとして棄却しないことを第二種の過誤といいます。統計的仮説検定では、棄却域に検定統計量が入れば、帰無仮説は棄却されます。例えば、有意水準を $5 \,\text{\%}$ に設定した場合には、$5 \,\text{\%}$ の確率で第一種の過誤が起きる可能性があるということです。
・ 第一種の過誤……帰無仮説が真であるのに、偽であるとして棄却してしまう誤りのこと
・ 第二種の過誤……帰無仮説が偽であるのに、真であるとして棄却しない誤りのこと
また、対立仮説が真であるときに帰無仮説を棄却する確率、すなわち、$1$ から第二種の過誤の確率を引いたものを検出力といいます。検出力の値を設定すると、その検出力を得るために必要なサンプルサイズを求めることができます。サンプル取得と仮説検定を繰り返して、$80 \,\text{\%}$ の確率で正しく帰無仮説が棄却される状態が望ましいとされているため、検出力が $0.8$ 以上となるようなサンプルサイズを確保する必要があります。
以上より、選択肢Aが正解です。
【参考】
統計的仮説検定において、帰無仮説の下で検定統計量が実際に観測された値となる確率をP値といいます。
** で強調しました。\text{\%})で表記しました。\%)し、適切な記法に整えました。シグモイド関数 $\sigma(x)$ の定義式を以下に示す。
$$\sigma(x) = \frac{1}{1 + e^{-x}}$$
この式がもつ特徴として、最も適切でないものを選べ。
A. $x$ の定義域が $0 < x < 1$ のとき、ロジット関数の逆関数となる
B. 点 $(0, \frac{1}{2})$ に対して点対称である
C. $\sigma(x)$ の値域は $0 < \sigma(x) < 1$ である
D. $x \to \infty$ に対する極限値は 0 である
$$...$$)を維持し、視認性を確保しました。教師あり学習の1つであるロジスティック回帰においては、教師データをもとにその事象が生じる確率を計算します。
ある事象が起こる確率と起こらない確率との比をオッズといいます。例えば、ある事象が起こる確率を $p$ ($0 \le p \le 1$) とした場合、以下のように定義されます。
$$ \frac{p}{1 - p} $$
オッズは、ある事象がどれだけの頻度で発生するのかを理解するのに役立ちます。このオッズに対し、対数をとったものを対数オッズといいます。式で表すと以下のようになります(ここでは対数の底をネイピア数 $e$ としています)。
$$ \log \left( \frac{p}{1 - p} \right) $$
$p$ を $x$ に置き換え、対数オッズを $x$ の関数と見なしたものはロジット関数と呼ばれており、以下の式で表現されます。
$$ f(x) = \log \left( \frac{x}{x - 1} \right) \quad (0 < x < 1) $$
ロジット関数の逆関数を求めると、以下のような式が得られます。
$$ \sigma(x) = \frac{1}{1 + e^{-x}} \quad (-\infty < x < \infty) $$
この関数は(標準)シグモイド関数と呼ばれており、機械学習の分野ではロジスティック回帰やニューラルネットワークで活用されています。上式から、シグモイド関数はロジット関数の逆関数であることがわかります (A)。シグモイド関数は、点 $(0, \frac{1}{2})$ に対して点対称であり (B)、値域は $0 < \sigma(x) < 1$ です (C)。
以上より、選択肢Dが正解です。
参考
(標準)シグモイド関数は、(標準)ロジスティック関数とも呼ばれます。参考
本問の対数オッズのように、ある値を対数に変換するという方法は多くの分野で利用されています。対数を取ることのメリットとしては、広い範囲で散らばるサンプルであっても、人間が把握しやすい値の範囲に落とし込めることなどが挙げられます。二次元グラフを描く場合にも、片方の軸だけを対数目盛りとした片対数グラフや、両方の軸を対数軸とした両対数グラフを適切に用いることで、人間が把握しやすい可視化が実現できます(詳細は9章を参照)。
\left( \right) を適用しました。$U$ を全体集合、$A$、$B$ を $U$ の部分集合とする。以下のベン図のグレーで示される領域を表したものとして、適切なものを選べ。
A. $A \cup B$
B. $A \cap B$
C. $A - B$
D. $(A \cup B)^C$
<図PAGE_ID-n--->)に置換。次の図のように、全体集合とそれに含まれる部分集合の関係を視覚的に表したものをベン図といいます。
【ベン図の例】
2つの集合$A$と$B$の元をすべて集めてできる集合を和集合といい、
$$A \cup B = \{x \mid x \in A \text{ または } x \in B\}$$
と定義されます。
ベン図で表現すると以下の部分です(A)。
また、$A$と$B$に共通して含まれる元をすべて集めてできる集合を積集合あるいは共通部分といい、
$$A \cap B = \{x \mid x \in A \text{ かつ } x \in B\}$$
と定義されます。
ベン図で表現すると以下の部分です(B)。
集合$A$に属するが$B$には属さない元をすべて集めてできる集合を$A$と$B$の差集合といい、
$$A - B = \{x \mid x \in A \text{ かつ } x \notin B\}$$
と定義されます。
ベン図で表現すると以下の部分です(C)。
さらに、全体集合 $U$ のうち集合 $A$ を取り除いた残りの部分を $A$ の補集合といい、$A^c$ で表します。
定義式は以下のとおりです。
$$A^c = U - A$$
よって、以下のベン図で表現される部分は、$A \cup B$ の補集合に当たる部分が示されているので、$(A \cup B)^c$ と表現できます。
以上より、選択肢Dが正解です。
試験対策
和集合や積集合によって行われる集合演算の考え方は、ある推論や判断の真偽などを記号によって表現することで演算の対象とする論理演算(ブーリアン演算/ブール演算)においても用いられます。
多くのプログラミング言語やSQLのようなデータベース操作言語において、論理演算を実行することができます。論理演算では、和集合はOR(2つの集合のいずれか一方に含まれる関係であるため)、積集合はAND(2つの集合の両方に含まれる関係であるため)に、それぞれ対応します。
このように、集合演算と論理演算の間には対応関係があることを覚えておきましょう。
<図PAGE_ID-n---> 形式に置換しました。| を適切な余白を持つ \mid に変更し、条件文のテキスト(「または」「かつ」)を \text{} または適切な日本語表示として維持しました。あなたはBtoC企業のマーケティング担当として、Webプロモーションを実施した。このWebプロモーションの実施効果を推定する方法として、外部環境の変化の影響を最小化できるものを選べ。
A. 購買につながった訪問者比率をプロモーション前後で比較する
B. 従来のプロモーションを適用するグループと新しいプロモーションを適用するグループに顧客を分け、グループ間でコンバージョン率を比較する
C. プロモーション期間中に購買を行った顧客に顧客満足に関するアンケートをとり、プロモーション実施前に行ったアンケート結果と満足度指標を比較する
D. プロモーションを行う製品に関連する部門の販売実績をプロモーション前後で比較する
## 27. および # 第1章...)およびHTMLコメント(ID)を正確に維持しました。効果測定の実施方法を問う問題です。
因果関係とは、一つの変数(原因)が別の変数(結果)に直接的な影響を与える関係を指します。因果関係が成立するには、原因が結果に先行して発生すること、また原因と結果の両方を引き起こす別の要因が存在していないことが必要です(【参考】を参照)。
そして、変数間の因果関係を推論・分析するための手法および研究分野を因果推論といいます。
因果推論では、実験データの出力に影響を与える可能性がある操作を処置と呼び、処置を行った群を処置群、処置を行っていない群を対照群といいます。Webプロモーションの効果測定では、顧客をこの2群に分けてコンバージョン率などの指標を比較することで、他要因の影響を排した効果を確認しやすくなります。
購買につながった訪問者比率や、販売実績、顧客満足度をプロモーション前後で比較した場合は、外部環境の変化や関連部門が独自に行った施策など、プロモーション以外の要因が影響した可能性を排除できません(A、C、D)。
以上より選択肢Bが正解です。
なお、処置群と対照群において、処置の対象外である変数は同じ値をもつことが望ましいです。しかし、実験対象が生物である場合や実験対象を事前に準備できない場合などは、変数の値を厳密に揃えられないことがあります。このとき、処置群と対照群への所属者がランダムに選ばれていれば、多様な変数パターンが両群へランダムに分配されるため、処置対象外の変数が実験
に及ぼす影響は両群間で均一になると考えられます。このようにして処置とは無関係の変数の影響を相殺することで、処置の評価が信頼できるものとなります。この方針の下で行われる実験はランダム化比較試験と呼ばれます。
参考
衛生分野での話題になりますが、因果関係を判定する条件として、米国公衆衛生局長諮問委員会の5つの基準(1964年)や、それを元にしたHillの原則(Hill, et al. 1965)などの基準が提唱されています。
<!-- 00_000_0 --> 前後の文脈を確認し、不自然な改行や記号の不足がないことを確認しました。<!-- 00_000_0 --> はページ跨ぎ等のシステム用タグと判断し、文脈を維持したまま残しています。