人工知能の定義は専門家の間ですら異なる。その説明として適切なものを1つ選べ。
3
人工知能は学術的な研究分野の1つとして認められており、国際学会も頻繁に行われています。
「人工」とは「人の手を加えた、自然のままではない」という意味で研究者の間で意見は一致しています。
人工知能という言葉をジョン・マッカーシーが最初に用いたのは、ダートマス会議です。
人工知能の定義に関する説明として、不適切なものを1つ選べ。
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人工知能の定義は専門家の間でも共有されていないため、同じシステムを指して、それを人工知能だと主張する人と、それは人工知能ではないと考える人がいてもおかしくありません。「人間と同じ知的な処理能力を持つ機械 (情報処理システム)」という表現を使うとき、「人間と同じ知的な処理能力」という部分の解釈が人によって異なる可能性があります。人工知能の有名な書籍である『エージェントアプローチ人工知能 (共立出版)』の中では、「周囲の状況によって行動を変えるエージェント」として人工知能をとらえています。この定義に従えば、探索・推論、知識データや機械学習を利用しない製品 (シンプルな制御機構しか持たない製品) も人工知能を搭載した製品ととらえることができます。
【参照】:1-1「1.1人工知能とは何か」
機械学習を取り入れた人工知能に関する説明として、最も適しているものを1つ選べ。
4
機械学習は、非常に多くのデータサンプルを使って学習することで高い精度の学習を達成することができます。あらかじめ単純な振る舞いがハードウェアやソフトウェアで決まっている製品は、制御工学やシステム工学と呼ばれる分野で長年培われた技術を利用しており、機械学習を利用していません。機械学習は、データが持つ特徴 (構造やパターン) を学習するので、パターン認識という古くからの研究をベースにしています。
AI効果の例として、最も適切なものを1つ選べ。
2
1はチューリングテスト、3はシンボルグラウンディング問題、4はAIブームに便乗するマーケティング戦略に関する事例です。
「人工知能とロボットの研究に関する説明として、不適切なものを1つ選べ。
3
ロボットの脳に当たる部分は人工知能ですが、脳以外の部分を研究対象としているロボットの研究者は人工知能の研究者ではありません。また、人工知能の研究はロボットの脳だけを対象にしているわけではなく、ロボットの研究と異なり物理的な身体は必要ありません。つまり、人工知能の研究は 「考える(知的な処理能力)」という「目に見えないもの」を中心に扱っている学問だといえます。物理的な身体を必要としない将棋や囲碁のようなゲームを重要な研究対象としているのは、ロボット研究ではなく人工知能の研究です。
[参照] 1-1 「1.4人工知能とロボットの違い」
「人工知能が持つ知的な処理能力として、最も不適切なものを1つ選べ。
1
1は物理的なモノを動かす能力であり、「考える」という人工知能が持つ知的な処理能力ではありません。
以下の文章を読み、空欄に最もよく当てはまるものを1つ選べ。
1980年代に起こった第2次AIブームにおいては、( ) によって問題を解決する古典的な人工知能が台頭した。
3
「探索と推論」は第1次AIブーム、「機械学習」と「ビッグデータ」は第3次AIブームで中心的な役割を果たします。第2次AIブームの主役は、専門家の「知識」をデータベースに蓄積した「エキスパートシステム」です。
1956年に開催されたダートマス会議についての説明として、最も不適切なものを1つ選べ。
4
世界初の汎用電子式コンピュータであるエニアック (ENIAC)は、ダートマス会議の10年前に誕生し、いずれコンピュータが人間の能力を凌駕するだろうという可能性を見出すきっかけとなりました。
「人工知能研究50年来のブレイクスルー」と称されるディープラーニングだが、その手法自体は第3次AIブームが盛り上がる以前から提案されていた。ここ数年になって急速な盛り上がりを見せているのにはいくつかの理由がある。その内容として最も不適切なものを1つ選べ。
4
第2次AIブームの時期、日本政府は第五世代コンピュータプロジェクトに巨額の資金を投じました。1982年から1992年の11年間にわたり、約500億円の国家予算を投じて遂行されました。このプロジェクトの評価は賛否両論に分かれています。
トイ・プロブレムに関する説明として、最も不適切なものを1つ選べ。
1
「ハノイの塔」もチェスや将棋などと同様に明確なルールが定められたゲーム (非常に限定された状況で設定された問題)であり、トイ・プロブレムに分類されます。
人工知能研究の歴史と注目されてきた技術に関する説明として、最も適切なものを1つ選べ。
4
初期の人工知能は、現実の問題を単純化した「トイ・プロブレム」を解くことはできましたが、現実の世界で直面するような複雑な問題を解くことはできませんでした。知識ベースの人工知能が注目されたのは第2次AIブーム、人工知能が自ら認識に必要な特徴量を見つけることができる機械学習(ディープラーニング)の研究が活性化するのは第3次AIブームです。
第2次AIブームでは、いかにして機械に知識を与えるかが大きなテーマになった。例えば自然言語処理の研究では、言葉同士の意味関係を定義する手法が提案された。しかし仮に言葉同士の意味関係が分かったとしても、現実の概念と結び付けられるかどうかという問題が待ち受けている。この問題の語句として、最も適切なものを1つ選べ。
1
言葉で表現した概念同士の意味関係が分かったとしても、言葉はあくまでも「記号」であり、実物そのものではありません。記号だけでは、実際にそれが何を意味しているのかは本当の意味で理解できない(記号と現実を接続できない) というシンボルグラウンディング問題は解決できません。
異なる部屋にいる人間とコンピュータとが対話をし、話し相手がコンピュータであることを人間が見抜けなければ、コンピュータには知能があるとする判定方法を使ったテストに合格しても、「本当に知能があるかは分からない」という議論として最も適切なものを1つ選べ。
1
ジョン・サールは「中国語の部屋」という思考実験を通して、チューリングテストに合格しても、コンピュータは記号操作をしているだけで本当に知能があるかは分からないということを主張しました。
フレーム問題についての説明として、最も適切なものを1つ選べ。
1
2はトイ・プロブレムに関する説明、3はシンボルグラウンディング問題に関する説明、4は知識獲得のボトルネックに関する説明です。
ルールベース機械翻訳の説明として、最も不適切なものを1つ選べ。
4
ルールベース機械翻訳は、人間が用意したルール (文法法則や辞書情報)を使って形式的に翻訳を行います。この方法は、大量の言語データ(コーパス)を必要とする統計的機械翻訳や、ディープラーニングを応用したニューラル機械翻訳と比べて計算量は少なくて済むという利点がありますが、多様な口語表現に柔軟に対応するのが難しいというデメリットもあります。
以下の文章を読み、空欄 (A) (B) に最もよく当てはまるものを1つ選べ。
1990年代以降、(A) と呼ばれる機械翻訳が一般的に用いられるようになった。(A)は以前の翻訳手法と比較して、性能は飛躍的に向上したが、文法的には正しいものの人間には不自然に感じられる訳を出力することがあり、実用レベルとはいえなかった。この理由の1つとして、人間が持っている一般常識を人工知能に習得させることは困難である (B) が挙げられる。
1
フレーム問題は「今行おうとしていることに関係のある事柄だけを選び出すことが、実は難しい」という人工知能にとっての難題です。ニューラル機械翻訳の登場により、機械翻訳の品質が格段に向上し、人間を超えるレベルの翻訳の実現が期待されています。
フレーム問題に関する説明として、不適切なものを1つ選べ。
4
フレーム問題は未だに本質的な解決はされておらず、人工知能研究の最大の難問とも言われています。何も考えずに行動して事故にあったり、とるべき行動に迷って何もできなかったり、考えすぎて行動できなかったりするのは人間も同じなので、フレーム問題は人間にも起きると考えられます。しかし、人間はあらゆる状況について無限に考えてフリーズすることはありません。人間と同じように、あたかもフレーム問題を解決しているように振る舞えるようにすることが人工知能の研究目標の1つになります。
[参照]1-3 「1.2 フレーム問題」
チューリングテストに関する説明として、不適切なものを1つ選べ。
1
チューリングテストは「人工知能の会話能力レベル」を判定するためではなく、「人工知能ができたかどうか」を判定するためのテストとして提案されました。このテストでは、別の場所にいる人間がコンピュータと会話をし、相手がコンピュータだと見抜けなければコンピュータに知能があるとするものです。チューリングは、知能があるかどうかを判定することの難しさを認識しており、知能を内部のメカニズムに立ち入って判定しようとすると極めて困難になることから、外から観察できる行動から判断せざる得ないという立場を取っています。
[参照]1-3 「1.3 チューリングテスト」
強いAIと弱いAIに関する説明として、不適切なものを1つ選べ。
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ジョン・サールが提示した「強いAI」 「弱いAI」という区分は、人工知能に肯定的な哲学者との間に論争を引き起こしました。ジョン・サール自身は 「強いAI」は実現不可能だと主張し、自らの立場を説明するために「中国語の部屋」という思考実験を提案しました。「中国語の部屋」では、英語しか分からない人が部屋に閉じ込められており、部屋の外にいる人が部屋の中の人に中国語で質問をする状況を考えます。部屋の中に、中国語の質問に答えることができる完全なマニュアルが用意されていれば、それを使って中国語で質問に答えることができるので、部屋の外の人には部屋の中にいる人が中国語を理解していると判断してしまいます。しかし実際は中国語を理解していないので、中国語で答える知能があるような受け答えができるかどうかを判定するチューリングテストに合格しても本当に知能があるかは分からないという議論です。
【参照】1-3 「1.4 強いAIと弱いAI」
シンボルグラウンディング問題に関する説明として、不適切なものを1つ選べ。
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コンピュータは記号 (例えば文字)の意味が分かっていないので、記号が意味する対象と記号を自動的に結びつけることができません。人間の場合はシンボルグラウンディング問題が起きません。それは人間が身体を通して概念を獲得しているからであり、外界と相互作用できる身体がないと概念はとらえきれないと考えるのが身体性のアプローチです。
知識獲得のボトルネックに関する説明として、不適切なものを1つ選べ。
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統計的機械翻訳はインターネットに蓄積された膨大な文字データを利用して文単位のレベルで翻訳できましたが、一般常識(日常的な常識)が必要とされるレベルの翻訳はできませんでした。ディープラーニングを使ったニューラル機械翻訳は、人間が言葉を理解するのと同じような構造で訳文を出力すると言われ、TOEIC900点以上の人間と同等の訳文も生成可能だと言われています。
特徴量に関する説明として、不適切なものを1つ選べ。
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特徴表現学習をする機械学習の場合は、コンピュータが自動的に特徴量を抽出するため、特徴量が意味することを本当の意味で理解することはできません。ディープラーニングは特徴表現学習をする機械学習の1つです。「判断理由を説明できないブラックボックス型の人工知能」だといわれているのはディープラーニングであり、全ての機械学習がブラックボックス型というわけではありません。この問題に対処することを目的に、XAI (Explainable Al, 説明可能AI)の研究も活性化しています。
ある店舗のある日の午後のビールの売り上げ予想のために用いる特徴量として適切ではないと考えられるものを1つ選べ。
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特徴量は数値で表現できるデータの特徴です。上記の選択肢は、いずれも数値化できます (天気の場合は、晴れ「4」、曇り「3」、雨「2」、雪「1」 のように数値を対応付けることで数値化できる)。ここで予想しているのはある店舗のある日の午後のビールの売り上げなので、前日の購買者の平均年齢を特徴量として利用しても意味がありません。
未来学者レイ・カーツワイルが主張する 「シンギュラリティー (技術的特異点)」に関する説明として、不適切なものを1つ選べ。
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レイ・カーツワイル自身は「シンギュラリティーが起きること」と「人工知能が人間よりも賢くなること」を区別して考えており、「人工知能が人間よりも賢くなる年」は2029年、「シンギュラリティーが起きる年」は2045年だと予想しています。特異点とはある基準が適用できなくなる点のことを指します。たとえば、重力特異点は一般的な物理法則が成り立たなくなる点であり、その点において何が起きるか予想できません。同様に、レイ・ カーツワイルは「シンギュラリティー (技術的特異点)」が起きると、人工知能が自ら知的システムを改善するスピードが無限大になり、何が起きるか予想ができなくなると主張しています。