問題1

人工知能の定義は専門家の間ですら異なる。その説明として適切なものを1つ選べ。

  1. 人工知能は学術的な研究分野の1つとして認められていないから。
  2. 「人工」の解釈が研究者によって異なるから。
  3. 「知性」や「知能」の解釈が研究者によって異なるから。
  4. 人工知能という言葉は、人工知能研究者ジョン・マッカーシーが彼の論文で私的に使った造語だから。

📝 解答

3

🔍 解説

人工知能は学術的な研究分野の1つとして認められており、国際学会も頻繁に行われています。
「人工」とは「人の手を加えた、自然のままではない」という意味で研究者の間で意見は一致しています。
人工知能という言葉をジョン・マッカーシーが最初に用いたのは、ダートマス会議です。

問題2

人工知能の定義に関する説明として、不適切なものを1つ選べ。

  1. 人工知能とは何かについては、専門家の間でも共有されている定義は未だにない。
  2. 「周囲の状況 (入力) によって行動 (出力)を変えるエージェント」として人工知能をとらえた場合、あらかじめ単純な振る舞いが決まっている製品も人工知能を搭載した製品だといえる。
  3. 同じシステムを指して、それを人工知能だと主張する人と、それは人工知能ではないと考える人がいてもおかしくない。
  4. 知的な処理能力を持つ機械 (情報処理システム)であれば、誰もがそれを人工知能であると認めることができる。

📝 解答

4

🔍 解説

人工知能の定義は専門家の間でも共有されていないため、同じシステムを指して、それを人工知能だと主張する人と、それは人工知能ではないと考える人がいてもおかしくありません。「人間と同じ知的な処理能力を持つ機械 (情報処理システム)」という表現を使うとき、「人間と同じ知的な処理能力」という部分の解釈が人によって異なる可能性があります。人工知能の有名な書籍である『エージェントアプローチ人工知能 (共立出版)』の中では、「周囲の状況によって行動を変えるエージェント」として人工知能をとらえています。この定義に従えば、探索・推論、知識データや機械学習を利用しない製品 (シンプルな制御機構しか持たない製品) も人工知能を搭載した製品ととらえることができます。
【参照】:1-1「1.1人工知能とは何か」

問題3

機械学習を取り入れた人工知能に関する説明として、最も適しているものを1つ選べ。

  1. サンプルデータが少なくても高い精度で入力と出力の関係を学習する。
  2. 制御工学やシステム工学と呼ばれる分野で培われた技術を利用している。
  3. 全ての振る舞いがあらかじめ決められている。
  4. パターン認識という古くからの研究をベースにしている。

📝 解答

4

🔍 解説

機械学習は、非常に多くのデータサンプルを使って学習することで高い精度の学習を達成することができます。あらかじめ単純な振る舞いがハードウェアやソフトウェアで決まっている製品は、制御工学やシステム工学と呼ばれる分野で長年培われた技術を利用しており、機械学習を利用していません。機械学習は、データが持つ特徴 (構造やパターン) を学習するので、パターン認識という古くからの研究をベースにしています。

問題4

AI効果の例として、最も適切なものを1つ選べ。

  1. AIを活用したチャットボットと会話していたら、人間と会話しているように感じた。
  2. 検索エンジンにはAIが使われているが、その原理が人々に認知されるとAIとは呼ばれなくなった。
  3. 青りんごの実物を見たことがなかったが、初めて青いりんごを見たときに青りんごだと認識できた。
  4. AIブームが起こると、家電などの身近なハードウェアがAI搭載を謳うようになった。

📝 解答

2

🔍 解説

1はチューリングテスト、3はシンボルグラウンディング問題、4はAIブームに便乗するマーケティング戦略に関する事例です。

問題5

「人工知能とロボットの研究に関する説明として、不適切なものを1つ選べ。

  1. 脳以外の部分を研究対象としているロボットの研究者は人工知能の研究者ではない。
  2. 人工知能の研究では「考える (知的な処理能力)」という「目に見えないもの」を中心に扱っている。
  3. 物理的な身体を必要としない将棋や囲碁のようなゲームもロボット研究の重要な研究対象である。
  4. 人工知能の研究はロボットの脳だけを対象にしているわけではない。

📝 解答

3

🔍 解説

ロボットの脳に当たる部分は人工知能ですが、脳以外の部分を研究対象としているロボットの研究者は人工知能の研究者ではありません。また、人工知能の研究はロボットの脳だけを対象にしているわけではなく、ロボットの研究と異なり物理的な身体は必要ありません。つまり、人工知能の研究は 「考える(知的な処理能力)」という「目に見えないもの」を中心に扱っている学問だといえます。物理的な身体を必要としない将棋や囲碁のようなゲームを重要な研究対象としているのは、ロボット研究ではなく人工知能の研究です。
[参照] 1-1 「1.4人工知能とロボットの違い」

問題6

「人工知能が持つ知的な処理能力として、最も不適切なものを1つ選べ。

  1. モノを高速に移動させる運動能力
  2. 自動車の位置を特定する推論能力
  3. 障害物を回避する経路判定能力
  4. 複数の人の音声を聴き分ける認識能力

📝 解答

1

🔍 解説

1は物理的なモノを動かす能力であり、「考える」という人工知能が持つ知的な処理能力ではありません。

問題7

以下の文章を読み、空欄に最もよく当てはまるものを1つ選べ。

1980年代に起こった第2次AIブームにおいては、( ) によって問題を解決する古典的な人工知能が台頭した。

  1. 探索と推論
  2. 機械学習
  3. エキスパートシステム
  4. ビッグデータ

📝 解答

3

🔍 解説

「探索と推論」は第1次AIブーム、「機械学習」と「ビッグデータ」は第3次AIブームで中心的な役割を果たします。第2次AIブームの主役は、専門家の「知識」をデータベースに蓄積した「エキスパートシステム」です。

問題8

1956年に開催されたダートマス会議についての説明として、最も不適切なものを1つ選べ。

  1. この会議で「人工知能」という言葉が初めて使われた。
  2. コンピュータを用いて数学の定理を自動的に証明することが、実現可能であることが示された。
  3. 後に人工知能や情報理論の研究で重要な役割を果たす著名な研究者たちが参加していた。
  4. 圧倒的な計算力を持つエニアック (ENIAC) が紹介され、コンピュータが人間の能力を凌駕する可能性について議論された。

📝 解答

4

🔍 解説

世界初の汎用電子式コンピュータであるエニアック (ENIAC)は、ダートマス会議の10年前に誕生し、いずれコンピュータが人間の能力を凌駕するだろうという可能性を見出すきっかけとなりました。

問題9

「人工知能研究50年来のブレイクスルー」と称されるディープラーニングだが、その手法自体は第3次AIブームが盛り上がる以前から提案されていた。ここ数年になって急速な盛り上がりを見せているのにはいくつかの理由がある。その内容として最も不適切なものを1つ選べ。

  1. 大規模な並列計算処理が可能になったことで、現実的な時間内でモデルを学習させられるようになったから。
  2. より大規模なデータがWeb上に公開されるようになり、データの収集が比較的容易になってきたから。
  3. プログラミングを支援するフレームワークが広く普及したから。
  4. 政府によって「第五世代コンピュータ」と名付けられた大型プロジェクトが推進されたから。

📝 解答

4

🔍 解説

第2次AIブームの時期、日本政府は第五世代コンピュータプロジェクトに巨額の資金を投じました。1982年から1992年の11年間にわたり、約500億円の国家予算を投じて遂行されました。このプロジェクトの評価は賛否両論に分かれています。

問題10

トイ・プロブレムに関する説明として、最も不適切なものを1つ選べ。

  1. チェスや将棋などのトイ・プロブレムとは異なり、「ハノイの塔」は非常に複雑な問題であった。
  2. トイ・プロブレムは、複雑な問題をコンピュータで扱えるように、本質を損なわない程度に問題を簡略化したものである。
  3. 我々が実際に直面し、本当に解決したい問題は、トイ・プロブレムよりもずっと複雑だった。
  4. 現実の問題が解けないという限界が明らかになり、人工知能研究はいったん下火となった。

📝 解答

1

🔍 解説

「ハノイの塔」もチェスや将棋などと同様に明確なルールが定められたゲーム (非常に限定された状況で設定された問題)であり、トイ・プロブレムに分類されます。

問題11

人工知能研究の歴史と注目されてきた技術に関する説明として、最も適切なものを1つ選べ。

  1. 初期の人工知能はコンピュータの驚異的な計算力を利用して、複雑な問題を解くことしかできなかった。
  2. 第3次AIブームで注目されている知識ベースの人工知能では、人工知能が自ら学んだ知識を使用して推論を行うため、 人間の知識を利用する必要はない。
  3. 第2次AIブームで盛んに研究された機械学習では、人工知能が自ら認識に必要な特徴量を発見してしまうため、応用が難しかった。
  4. 第1次AIブームで盛んに研究された探索ペースの手法は、人間が問題を適切に定義できればAIが問題を解くことができた。

📝 解答

4

🔍 解説

初期の人工知能は、現実の問題を単純化した「トイ・プロブレム」を解くことはできましたが、現実の世界で直面するような複雑な問題を解くことはできませんでした。知識ベースの人工知能が注目されたのは第2次AIブーム、人工知能が自ら認識に必要な特徴量を見つけることができる機械学習(ディープラーニング)の研究が活性化するのは第3次AIブームです。

問題12

第2次AIブームでは、いかにして機械に知識を与えるかが大きなテーマになった。例えば自然言語処理の研究では、言葉同士の意味関係を定義する手法が提案された。しかし仮に言葉同士の意味関係が分かったとしても、現実の概念と結び付けられるかどうかという問題が待ち受けている。この問題の語句として、最も適切なものを1つ選べ。

  1. シンボルグラウンディング問題
  2. フレーム問題
  3. 最適化問題
  4. 組み合わせ爆発問題

📝 解答

1

🔍 解説

言葉で表現した概念同士の意味関係が分かったとしても、言葉はあくまでも「記号」であり、実物そのものではありません。記号だけでは、実際にそれが何を意味しているのかは本当の意味で理解できない(記号と現実を接続できない) というシンボルグラウンディング問題は解決できません。

問題13

異なる部屋にいる人間とコンピュータとが対話をし、話し相手がコンピュータであることを人間が見抜けなければ、コンピュータには知能があるとする判定方法を使ったテストに合格しても、「本当に知能があるかは分からない」という議論として最も適切なものを1つ選べ。

  1. 中国語の部屋
  2. チューリングテスト
  3. イライザ
  4. ローブナーコンテスト

📝 解答

1

🔍 解説

ジョン・サールは「中国語の部屋」という思考実験を通して、チューリングテストに合格しても、コンピュータは記号操作をしているだけで本当に知能があるかは分からないということを主張しました。

問題14

フレーム問題についての説明として、最も適切なものを1つ選べ。

  1. 人工知能が判断を行う際に、それに関連することのみを抽出することが困難であるということ。
  2. コンピュータで扱いやすくするため、現実世界の問題について本質を損なわない程度に簡略化した問題のこと。
  3. 文字などの記号とそれが意味する対象が結び付いていないこと。
  4. 人間の持つ広範な一般常識をコンピュータに知識として獲得させることが困難であるということ。

📝 解答

1

🔍 解説

2はトイ・プロブレムに関する説明、3はシンボルグラウンディング問題に関する説明、4は知識獲得のボトルネックに関する説明です。

問題15

ルールベース機械翻訳の説明として、最も不適切なものを1つ選べ。

  1. 人間が用意した文法法則と辞書情報を使って翻訳する。
  2. 統計的機械翻訳やニューラル機械翻訳と比べて計算量が少ない。
  3. 訳文が形式的な表現になり、口語への対応が難しい。
  4. 大量のコーパスを学習させて翻訳モデルを構築するため、人手がかからず、高度な言語知識も不要である。

📝 解答

4

🔍 解説

ルールベース機械翻訳は、人間が用意したルール (文法法則や辞書情報)を使って形式的に翻訳を行います。この方法は、大量の言語データ(コーパス)を必要とする統計的機械翻訳や、ディープラーニングを応用したニューラル機械翻訳と比べて計算量は少なくて済むという利点がありますが、多様な口語表現に柔軟に対応するのが難しいというデメリットもあります。

問題16

以下の文章を読み、空欄 (A) (B) に最もよく当てはまるものを1つ選べ。

1990年代以降、(A) と呼ばれる機械翻訳が一般的に用いられるようになった。(A)は以前の翻訳手法と比較して、性能は飛躍的に向上したが、文法的には正しいものの人間には不自然に感じられる訳を出力することがあり、実用レベルとはいえなかった。この理由の1つとして、人間が持っている一般常識を人工知能に習得させることは困難である (B) が挙げられる。

  1. (A)統計的機械翻訳 (B) 知識獲得のボトルネック
  2. (A)統計的機械翻訳 (B) フレーム問題
  3. (A) ニューラル機械翻訳 (B) 知識獲得のボトルネック
  4. (A) ニューラル機械翻訳 (B) フレーム問題

📝 解答

1

🔍 解説

フレーム問題は「今行おうとしていることに関係のある事柄だけを選び出すことが、実は難しい」という人工知能にとっての難題です。ニューラル機械翻訳の登場により、機械翻訳の品質が格段に向上し、人間を超えるレベルの翻訳の実現が期待されています。

問題17

フレーム問題に関する説明として、不適切なものを1つ選べ。

  1. フレーム問題は1969年にジョン・マッカーシーとパトリック・ヘイズが提唱した問題で、「今しようとしていることに関係のあることがらだけを選び出すことが実は非常に難しい」という問題である。
  2. フレーム問題はディープラーニングが登場した現在もまだ解決していない。
  3. 哲学者のダニエル・デネットは、洞窟から爆弾を運び出すことを命じられたロボットが考えすぎてフリーズしてしまうたとえ話を通して、フレーム問題の難しさを説明している。
  4. フレーム問題は人工知能に特有の問題であり人間には起きないと考えられる。

📝 解答

4

🔍 解説

フレーム問題は未だに本質的な解決はされておらず、人工知能研究の最大の難問とも言われています。何も考えずに行動して事故にあったり、とるべき行動に迷って何もできなかったり、考えすぎて行動できなかったりするのは人間も同じなので、フレーム問題は人間にも起きると考えられます。しかし、人間はあらゆる状況について無限に考えてフリーズすることはありません。人間と同じように、あたかもフレーム問題を解決しているように振る舞えるようにすることが人工知能の研究目標の1つになります。
[参照]1-3 「1.2 フレーム問題」

問題18

チューリングテストに関する説明として、不適切なものを1つ選べ。

  1. チューリングテストは、人工知能の会話能力レベルを判定する方法の1つとして、イギリスの数学者アラン・チューリングが提唱したものである。
  2. 1966年にジョセフ・ワイゼンバウムによって開発されたイライザ (ELIZA)は、精神科のセラピストの役割を演じるプログラムで、本物のセラピストと信じてしまう人も現れた。しかし、イライザはチューリングテストにパスしていない。
  3. 1991年以降、チューリングテストに合格する会話ソフトウェアを目指すローブナーコンテストが毎年開催されている。
  4. 1950年の論文の中でアラン・チューリングは50年以内に質問者が5分間質問した後の判定でコンピュータを人間と誤認する確率は30%であると見積もった。現在もまだチューリングテストにパスする会話ソフトウェアは現れていない。

📝 解答

1

🔍 解説

チューリングテストは「人工知能の会話能力レベル」を判定するためではなく、「人工知能ができたかどうか」を判定するためのテストとして提案されました。このテストでは、別の場所にいる人間がコンピュータと会話をし、相手がコンピュータだと見抜けなければコンピュータに知能があるとするものです。チューリングは、知能があるかどうかを判定することの難しさを認識しており、知能を内部のメカニズムに立ち入って判定しようとすると極めて困難になることから、外から観察できる行動から判断せざる得ないという立場を取っています。
[参照]1-3 「1.3 チューリングテスト」

問題19

強いAIと弱いAIに関する説明として、不適切なものを1つ選べ。

  1. 「強いAI」 「弱いAI」という言葉は、アメリカの哲学者ジョン・サールが提示したAIの区分である。「強いAI」は 「本物の心を持つ人工知能はコンピュータで実現できる」と考える立場で、「弱いAI」は「コンピュータは人間の心を模倣するだけで、本物の心を持つことはできない」と考える立場である。
  2. ジョン・サールは「強いAI」は実現可能だと主張し、「中国語の部屋」という思考実験を提案した。
  3. 「中国語の部屋」はチューリングテストを拡張した、 ーリングテストを拡張した、心がどこに存在するのか、あるいは意味はどこにあるのか、という問題に対する思考実験だといえる。
  4. ブラックホールの研究で有名なスティーブン・ホーキングと共同研究をしたことで有名な数学者のロジャー・ペンローズは、意識は脳の中にある微細な管に生じる量子効果が絡んでいるので、既存のコンピュータでは「強いAI」は実現できないと主張している。

📝 解答

2

🔍 解説

ジョン・サールが提示した「強いAI」 「弱いAI」という区分は、人工知能に肯定的な哲学者との間に論争を引き起こしました。ジョン・サール自身は 「強いAI」は実現不可能だと主張し、自らの立場を説明するために「中国語の部屋」という思考実験を提案しました。「中国語の部屋」では、英語しか分からない人が部屋に閉じ込められており、部屋の外にいる人が部屋の中の人に中国語で質問をする状況を考えます。部屋の中に、中国語の質問に答えることができる完全なマニュアルが用意されていれば、それを使って中国語で質問に答えることができるので、部屋の外の人には部屋の中にいる人が中国語を理解していると判断してしまいます。しかし実際は中国語を理解していないので、中国語で答える知能があるような受け答えができるかどうかを判定するチューリングテストに合格しても本当に知能があるかは分からないという議論です。
【参照】1-3 「1.4 強いAIと弱いAI」

問題20

シンボルグラウンディング問題に関する説明として、不適切なものを1つ選べ。

  1. シンボルグラウンディング問題とは、記号(シンボル) とその対象がいかにして結び付くのかという問題で、認知科学者のスティーブン・ハルナッドにより議論された。
  2. 人間の場合もシンボルグラウンディング問題は起きる。
  3. 身体がないとシンボルグラウンディング問題は解決できないと考えるのが身体性というアプローチである。
  4. シンボルグラウンディング問題は、フレーム問題と同様にまだ解決されておらず、人工知能の難問とされている。

📝 解答

2

🔍 解説

コンピュータは記号 (例えば文字)の意味が分かっていないので、記号が意味する対象と記号を自動的に結びつけることができません。人間の場合はシンボルグラウンディング問題が起きません。それは人間が身体を通して概念を獲得しているからであり、外界と相互作用できる身体がないと概念はとらえきれないと考えるのが身体性のアプローチです。

問題21

知識獲得のボトルネックに関する説明として、不適切なものを1つ選べ。

  1. 機械翻訳は人工知能の研究の古くからのテーマであり、1970年代後半はルールベースの機械翻訳が主流であったが、 1990年代後半から統計的機械翻訳が主流になった。翻訳精度は飛躍的に向上したが、まだまだ実用レベルではなかった。
  2. 統計的機械翻訳は、膨大な対訳データ (コーパス) を利用して文単位のレベルで翻訳できたので、一般常識がなくても精度の高い翻訳ができた。
  3. 人間の持っている一般常識は膨大で、それらすべての知識をコンピュータが扱うことは極めて困難である。コンピュータが知識を獲得することの難しさを、人工知能の分野では知識獲得のボトルネックと呼んでいる。
  4. ディープラーニングを使ったニューラル機械翻訳という技術が登場したことで、機械翻訳の品質が統計的機械翻訳の品質を上回った。知識獲得のボトルネックを超えてさらなる性能の向上が期待されている。

📝 解答

2

🔍 解説

統計的機械翻訳はインターネットに蓄積された膨大な文字データを利用して文単位のレベルで翻訳できましたが、一般常識(日常的な常識)が必要とされるレベルの翻訳はできませんでした。ディープラーニングを使ったニューラル機械翻訳は、人間が言葉を理解するのと同じような構造で訳文を出力すると言われ、TOEIC900点以上の人間と同等の訳文も生成可能だと言われています。

問題22

特徴量に関する説明として、不適切なものを1つ選べ。

  1. 機械学習では、注目すべきデータの特徴の選び方が性能を決定づけてしまう。注目すべきデータの特徴を量的に表したものを特徴量と呼ぶ。
  2. よい特徴量を人間が見つけ出すのは非常に難しいため、機械学習自身に特徴量を発見させるアプローチを特徴表現学習と呼ぶ。ディープラーニングは特徴表現学習を行う機械学習アルゴリズムの1つである。
  3. ディープラーニングは階層ごとに単純な概念から複雑な概念を構築することができる特徴量を抽出していると考えられる。また、与えられた問題を解くために必要な処理 (プログラム)に役立つ情報を特徴量として抽出しているとも考えられる。
  4. 機械学習は人間には理解できない特徴量を自動的に抽出してしまうので「判断理由を説明できないブラックボックス型の人工知能」だといわれている。

📝 解答

4

🔍 解説

特徴表現学習をする機械学習の場合は、コンピュータが自動的に特徴量を抽出するため、特徴量が意味することを本当の意味で理解することはできません。ディープラーニングは特徴表現学習をする機械学習の1つです。「判断理由を説明できないブラックボックス型の人工知能」だといわれているのはディープラーニングであり、全ての機械学習がブラックボックス型というわけではありません。この問題に対処することを目的に、XAI (Explainable Al, 説明可能AI)の研究も活性化しています。

問題23

ある店舗のある日の午後のビールの売り上げ予想のために用いる特徴量として適切ではないと考えられるものを1つ選べ。

  1. 当日の午前中の平均気温
  2. 当日の午後の天気予報
  3. 前日の午後の入店者数
  4. 前日の購買者の平均年齢

📝 解答

4

🔍 解説

特徴量は数値で表現できるデータの特徴です。上記の選択肢は、いずれも数値化できます (天気の場合は、晴れ「4」、曇り「3」、雨「2」、雪「1」 のように数値を対応付けることで数値化できる)。ここで予想しているのはある店舗のある日の午後のビールの売り上げなので、前日の購買者の平均年齢を特徴量として利用しても意味がありません。

問題24

未来学者レイ・カーツワイルが主張する 「シンギュラリティー (技術的特異点)」に関する説明として、不適切なものを1つ選べ。

  1. シンギュラリティーとは 「人工知能が人間よりも賢くなること」で、それが起きるのは2029年頃であると予想してる。
  2. シンギュラリティーが起きると、人工知能は自分自身よりも賢い人工知能を作れるようになり、その結果それ自身が無限に知能の高い存在を作り出せるようになる。
  3. シンギュラリティーが起きた後は、知的なシステムの技術開発速度が無限大になるので何が起きるか予想できない。
  4. シンギュラリティーが起きると、超越的な知性を持った人工知能が誕生し、人類に脅威をもたらすかも知れないと警鐘を鳴らす人々もいる。宇宙物理学者のスティーブン・ホーキング、テスラやスペースXのイーロン・マスク、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツも脅威論に同調している。

📝 解答

1

🔍 解説

レイ・カーツワイル自身は「シンギュラリティーが起きること」と「人工知能が人間よりも賢くなること」を区別して考えており、「人工知能が人間よりも賢くなる年」は2029年、「シンギュラリティーが起きる年」は2045年だと予想しています。特異点とはある基準が適用できなくなる点のことを指します。たとえば、重力特異点は一般的な物理法則が成り立たなくなる点であり、その点において何が起きるか予想できません。同様に、レイ・ カーツワイルは「シンギュラリティー (技術的特異点)」が起きると、人工知能が自ら知的システムを改善するスピードが無限大になり、何が起きるか予想ができなくなると主張しています。

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